この職業を選んだ理由を教えてください
関東での学生期間中にコーヒースタンドでアルバイトをしていた、というのが自分自身のコーヒー人生のはじまりです。当初はコーヒーに対しての熱量も少なく、そもそも海外で働きたいという夢を叶えるべく、渡航費用等の資金確保のために始めたんです。その時は居酒屋のアルバイトも掛け持ちしていたりしていました。
でも僕自身、熱しやすく冷めやすいというような性格で一つの事に熱中するという事があまり無かったのですが、コーヒーに関しては歴史や市場を始め、豆の特性やバリスタとしての技術等、向き合えば向き合うほどその深さ、そして広さを感じる事ができ、いつからかコーヒーという世界に携わっていきたいと考え始めたのも今思えばこの頃だったなと思い出します。
しかし、渡航直前になって現在世界を襲っている感染症問題により、渡航中断を余儀なくされたんですね。
当時渡航の為の準備も兼ねて新潟県に戻ってきており、渡航までの約二か月間という期間指定で、YAMANOSHITA COFFEEさんにて働かせてもらっておりまして、でも実際には渡航する事ができなくなり、、、
今後どうしようかととても悩んでおりました。
関東に戻ろうか、このまま新潟県でコーヒーや
関東に戻ろうか、このまま新潟県でコーヒー、もしくはコーヒーとは全く違う事をやろうかとも考えていたのですが、やはり今の自分のバックボーンとして色濃く存在するのがコーヒーという事もありましたので、結果現在のようにコーヒーを生業にして生きております。
個人事業主でカフェを経営しているのは?
一バリスタとしてのスキルアップが目的です。
自身で味を決めるのはプレッシャーでもありますが、常に試行錯誤できたり、直接お客様とコミュニケーションを取りながらコーヒーを提供できることは魅力です。
また、当店ではスペシャルティコーヒーというグレードのコーヒーを使用しております。新潟ではまだマイノリティかと思いますが、少しでもその認知に貢献できるよう、街中である万代にてお店を営んでおります。
※Homeのインスタグラムから抜粋
この仕事のやりがい
お客様に応援してもらっている、喜んでもらっているのを実感できる点です。
また、店舗面積は大きいわけではないですし、認知度に関しても発展途上の部分はございますが、それでもたくさんのお客様と関わることができます。日々のお仕事前にこのお店でコーヒーを買う事を日課にしてくださっているお客様等、一人一人のお客様の生活の中に存在できるという事も大きなやりがいとして感じております。
どういった人を目指していますか?
前項でもお話ししましたが、このお店ではスペシャルティコーヒーを取り扱っています。
具体的には生産国においての栽培管理から収穫、品質管理等が適正になされ、またそれらが劣化のない状態で焙煎、そしてカップの中で生産地の特徴的な素晴らしい風味特性が表現されることが求められるコーヒーです。またこれまでに比べると豆の対価が農家さんに渡っているという点も大きな特徴です。
バリスタはこの素晴らしいお豆とお客様を繋ぐ最終提供者です。
美味しいの感じ方はそれぞれあるかと思いますが、適正に品質や特徴を判断する味覚スキルをもっともっと高めていきたいと考えております。
また人間力の部分も一層高めていくことも念頭に置きながら、これからも最大限に素材の魅力を引き出したコーヒーをお客様に提供していきたいです。
どのようなお店を目指していますか?
このお店は一過性ではなくいつまでも皆様の生活に色濃く存在することを目指しています。
今よりも10年後の方がおいしいと思ってもらえるように、日々少しずつおいしいと思ってくださるお客様を増やせるように、日々成長・努力を続けていくお店です。
コーヒーの豆知識を教えてください
コーヒーの世界も技術の進歩や、科学的な解明、またトレンドの変化とそれ迄の当たり前が変わっていく事は沢山あります。
その中の一つをご紹介します。
豆は焼き立てが一番おいしいというイメージがあると思いますが、そんなことはありません。もちろん焼き立ても美味しいですが、一日寝かせたあと、一週間日寝かせたあとではまたそれぞれ違った風味、味わいが出ます。(当店では通常2週間程寝かせています。)
是非ともコーヒーの多様性というのを皆さんには感じてほしいなと考えています。
今、コーヒーを趣味にされる方もたくさんいらっしゃると思いますし、これから始められる方もいらっしゃることでしょう。コーヒーははまりすぎると深いゆえにどんどんのめりこんでしまうという点があります。技術やそれによって出す事ができるおいしさを提供するのが僕たちの仕事ですので、どうかご自身でされる際は技術や器具に縛られず、コーヒーというものを心から楽しんでほしいなと思います。